2014年度時点で、もっともオススメできる教育社会学の入門書2冊です。
その他の教育社会学の入門書については、教育社会学の入門書(その壱)と教育社会学の入門書(その弐)をどうぞ。
なぜか2冊ともミネルヴァの書籍になってしまいましたが、とくにミネルヴァを押しているわけではなく、ただの偶然です。
学部・大学院の授業の教科書
加野芳正・越智康詞,2012,『新しい時代の教育社会学』ミネルヴァ書房
扱っているテーマのバランスがよく、日本の教育社会学のカバーする内容を、偏りなく押さえている一冊。
「なぜ教育社会学を学ぶのか」「教育社会学を学ぶことにどのような意義があるのか」という、もっとも初学者が知りたいことを丁寧に解説している点が、非常にポイントが高い。
記述もわかりやすく、ほとんど背景知識がなくても独学が可能なレベルである。出版されたのが2012年と比較的新しいので、「時事ネタが古くて実感がわかない・・・」ということもないだろう。
さらに、授業をする教員にとって嬉しいことに、本書は全15章構成である。本書をもとに1章ずつ進めていけば、15回の授業ができるという点は見逃せない(笑)。
トピック集として便利
酒井朗・中村高康・多賀太,2012,『よくわかる教育社会学』ミネルヴァ書房
見開き2ページでさまざまな話題を扱っているので、トピック集として使える。
学生が教育社会学の卒論や修論のテーマを考えるときに、取っ掛かりとして使うと便利だろう。
教育社会学を勉強したいと思った人は、まずこの本から関連しそうなトピックを探しだし、そこに掲載されている文献を調べていけばよいと思う。
各トピックが短いので、教科書としては使いにくいものの、参考文献としてはとても有用。手元に一冊あると便利な本。